黄犬交遊抄

  • 岩波書店 (2020年2月15日発売)
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本棚登録 : 40
感想 : 8
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ドナルド・キーンの友人、先輩、恩師との交友関係や思い出を綴ったエッセイ。他の著作で知っていた事も多かったけれど、改めて読んでみると彼の人を見る眼の素晴らしさを感じる。親や知人に頼ることなく、自分で行動して良い人間関係を築いているように思った。自己研鑽に励み、高いレベルで人と付き合う。若い頃からかなりの向上心があったようだ。 負けず嫌いなのだろう。
後半は「私の仕事部屋から」。講演内容を文章にしたもので「明治天皇」を書いた経緯、「日本文学史」「日本人の日記」など、彼の考え方やエピソードが大変面白かった。最後は養子の誠己さんの話で、晩年の彼の姿が語られていて興味深く読めた。キーンさんの日本と日本人への愛情が伝わる。彼のような外国人(帰化したけれど)に気に入られたのは、日本人にとっても大変幸せなことだと思う。
全体として、前半の人物評の内容は大体知っていた事が多かった。後半の方が面白かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2020年10月31日
読了日 : 2020年8月24日
本棚登録日 : 2020年8月31日

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