椿宿の辺りに

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2019年5月13日発売)
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本棚登録 : 843
感想 : 102
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亀シ最高。樹木希林がぴったり。仮縫老人は樹木希林と似てないけど、鈴木清順で。どちらも故人ですが。
海幸山幸の話は子どもの頃好きというわけでもなかったけど、なんだか気になる話だった。今考えると、普通の昔話(当時は昔話と神話の区別がついていなかった。)は一応オチがつくというか、ある程度まとまっているものなのに、これはラストにスッキリ感がなかったからではないだろうか。因幡の白兎はスッキリと納得できたのだが。
梨木さんももしかしてそうだったのかも、と思った。
面白かったのだが、f植物園の方が個人的にはいいと思った。先祖の因縁が子孫の体に痛みとなって現れるみたいな話(というほど単純でもないのだが)の流れが、何となく昔のオカルトみたいで好きじゃないんだと思う。
でも、さすが梨木香歩、誰にも真似できない物語。芥川賞候補になってもおかしくないと思うが、あれは一応新人賞だから、難しいか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年7月27日
読了日 : 2019年7月27日
本棚登録日 : 2019年7月27日

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