1.この本を選んだ理由
最近図書館で予約した本が入ってこないため、ちょくちょく会社の本棚から面白そうな本を借りてきています。※1ヶ月に2冊程度ですが…
その会社の本棚は、xx思考とか、マーケティングxxとか、ビジネスに直結するようなものばかりですが、この書籍のようなビジネス書とは違うジャンルのエッセイとか小説が少しあるので、結構探し出すのが楽しみになっています。
2.あらすじ
全252ページ。
イギリスで暮らす筆者のブレイディみかこさんと、中学生(11歳)の息子さんの生活が中心となって展開していく、ノンフィクション作品です。
貧富の差が激しく、さまざまな人種が共に生活するイギリスの中学校生活は、日本で貧困とは関係なく過ごしてきた人間にとっては、異次元のお話のように聞こえてしまうかもしれません。
ちょいちょい日本に帰ってきた時の話もあって、すごいイメージしやすい場面も多々あります。日本で日本人に囲まれて生きてきた人間には衝撃的な内容かもしれないです。
3.感想
イギリスの生活の様子を知ることができ、やはり、日本は同一民族で生活している国だと感じました。地方によっては差別的なものをうけてきた場所はあるでしょうが、今は地域に対しての差別は弱まっているのではないかと思っています。当然、日本の中でも、好き嫌いはあるでしょうが、そこまで大きなものではないでしょう。
この作品はまさに11歳の子どもが読むと、別の国を意識するきっかけになり、とてもよいと思います。なんか、読んだ後にいろいろ質問は出るでしょう。
作中にでてくる息子さんは11歳、純粋さがいい。
ワールドカップで日本を応援するとこや、盆栽の話のとかは、面白かったです。
私には高校1年生の息子がいますが、10歳から15歳ぐらいが一番カッコいい時期なのかもしれないなぁ〜と、この本を読みながら、ふと感じました。
やはり、成長とともに、カッコよさがなくなっていくのは、年配者や環境の影響が強いわけで、両親や家庭の存在は一番大きいだろうと、あらためて感じました。
いつまでも、純粋さは必要だな!と、感じさせてくれた。
DVDレンタル店の話がでてきますが、いるよな〜と共感しました。私もCDをケース毎持って行って、ケースから抜いて持ってきてくださいと、嫌な顔で言われたことがあります。
リアルでのレンタルがなくなっていくのは、こういうところにも要因はあるでしょう。やっぱり、ダメなものはなくなっていきます。
全体的に笑いがあって、とても勉強になる作品でした。
旦那さんを配偶者と表現するところも、なんか関係性が見える感じで面白かったです。
この少年がどんなふうに育っていくかは、とても楽しみです。
4.心に残ったこと
さらっと、でてくる言葉がよかったです。
「自分が属する世界や、自分が理解している世界が、少しでも揺らいだり、変わったりするのが嫌」という言葉がでてきますが、自分に当てはまることのないように生きていきたいと強く思いました。
LGBTの世界観も面白い。パパ2人の親、ママ2人の親というのが周りにいないから、とても、不思議な感覚。
「子どもたちには、こうでなくちゃいけない、の鋳型がなかった。」って言葉は、すごい惹かれました。
陰気に硬直して、新しいものや楽しいことが生まれそうな感じがしない。
欠席罰金には驚いた。
最後の「まったく子どもというやつは止まらない。ずんずん進んで変わり続ける」は、よかった。
これを見た時に、やっぱりいつまでも子どもでいいやと思った。いつまでも変わり続けられる人間でいたい。
知らないことってたくそんあるな、とは、日々感じていますが、世界規模で考えたら、知ってることなんて、本当に少ししかないと、この本1冊読んだだけでも、感じさせられました。
私の子どもは、小学生のときから、両親が別々の国でうまれたハーフアンドハーフの子たちが同級生に必ずいたので、少しずつ日本でもそういう子は増えているんだろうと感じていました。もっと、広がっていくと、面白いだろうなと思っています。当然、マルチカルチュラルが広がることで、いろいろと問題もでると思いますが、それ以上に得るものは大きいだろうと感じました。
5.備忘録
①アイデンティティ・ポリティクス
人種、ジェンダー、性的指向といった故人のアイデンティティの問題を重視する政策
②エンパシー
自分と違う価値観や理念を持っている人が何を考えるのか「想像する力」のこと
③オルタナティヴ
択一的、複数の選択肢の中から選び取る。
④ポリティカルコレクトネス
特定の言葉や所作に差別的な意味や誤解が含まれないように、政治的に(politically)適切な(correct)用語や政策を推奨する態度のこと
⑤マルチカルチュラル
2つ、あるいはそれ以上の文化を経験してきた人たち
⑥フォリナー
外国人
⑦LGBTQ
レズビアン
ゲイ
バイセクシュアル
男女どちらにも性愛感情が向く性のあり方
トランスジェンダー
生物学的に割り当てられた性別に違和感を持ち、 異なる性を生きていきたいと 考えている人の総称
クエスチョニング
自分自身がまだわかっていない
- 感想投稿日 : 2022年5月5日
- 読了日 : 2022年5月5日
- 本棚登録日 : 2022年4月13日
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