墨のゆらめき

著者 :
  • 新潮社 (2023年5月31日発売)
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/_/ 感想 _/_/_/_/_/_/ 
 
ストーリー的には単調な感じで、遠田の過去に驚きがあるものの、そこまで大きな物語の展開があるわけではなく、淡々としたお話好きな私には、とてもよい作品でした。

主人公の「続」と「遠田」の全く異なる人生が、あるタイミングで重なっていくわけですが、ホテルマンの続と、書家の遠田、この2人のバランスは、なかなかに素敵で、引き寄せられます。書道教室で子どもから大人までに書道を教えて、宛名書きの仕事などもする遠田。そんな仕事も憧れます。

小説の中ですが、その人の生き方を見ていると、人生をすごい考えてしまいます。私は、いろんな仕事や、いろんな趣味に手を出して生きてきましたが、これからどうやって生きていくことが望ましいことなのか、考えさせられました。自分が好きなこと、自分にできること、誰かのためになること、最後にどう生きていくべきか、、、などなど、とても考えさせられました。

そして、筆と墨。小学生の時は、書道なんて準備や片付けが面倒で嫌いでしたが、また、やってみたいです。


/_/ あらすじ _/_/_/_/_/

ホテルの宛名書きの依頼を通じて、ホテルスタッフの「続」と、書家の「遠田」が出会います。
出会ったその日に、遠田の代筆の仕事を続が手伝うことになります。そんな共同作業をした2人が続けてサリリの代筆の依頼をすることになります。
代筆作業を通じて知り合った2人が、さくっと距離を縮めていきます。


/_/ 主な登場人物 _/_/_/ 

遠田薫 書家
続力 つづきちから、三日月ホテル
三木遥人 はると、生徒


/_/ 用語 _/_/_/_/_/_/

天啓 てんけい
天の啓示。天の導き。神の教え。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年1月29日
読了日 : 2024年1月28日
本棚登録日 : 2024年1月28日

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