再読。なにか暴力的な話が読みたい気分だった。凄惨なシーンばかりが記憶に残っていたが、いざ本を開いてみるとそういう部分自体はごく短くて、むしろ恐ろしいほどに本質的な話が詰まっていた。その内容はほとんど覚えがなくて、まるで初めて読む小説のようだった。本書が出版されてから20年以上が経っているが、2019年現在でも通じるテーマだと思う。インターネットやその上を走るアプリケーションによって、コミュニケーションのコストは著しく下がり、果ては伝達する意思らしきものも引きだしたように見える。しかし、伝えるべき何かを備えている人間は、そう多くはない。語るべき言葉を持たない人たちが、テクノロジーによって無理やり口を開かされている。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2019年5月27日
- 読了日 : 2019年5月27日
- 本棚登録日 : 2019年5月27日
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