恍惚の人 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1982年5月27日発売)
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本棚登録 : 1664
感想 : 196
4

「ひとごとが自分になったとき」
と思いながら再読した

才女といわれた作家の文章はやはりすばらしい
てだれている
読みやすいとはこういう文章をいうのだ

大ベストセラーになった
あの時、 読んだわたしは30代だった

それから40年あまり
「恍惚の人」は「認知症」と言う病気なり
と世間で認知され進化しているが
老人人口がますます増え
老人問題も多角化してしまったこの時代

あの時の衝撃が
今や違った意味での衝撃と共振になった

まず
この小説は主人公の昭子を40代後半に設定してあるので
昭子が舅の老化現象から「老い」を看取るの大変さと
自身が「老いに向かう不安」を感じたようには
まだまだわたし自身深刻に考えていなかったこと

そして
わたしが当年になった現在の状況を踏まえたとき
どーすらゃいいのか、ひとごとではないのだから
なんとも皮肉な小説であることよ

もちろん
冷静なふりをして、この老後問題に
理知的な行動をとっているつもりになっているんだ
けどこころのなかは不安だらけ、、、、、

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2014年
感想投稿日 : 2020年5月27日
読了日 : 2014年4月8日
本棚登録日 : 2020年5月27日

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