おカルトお毒味定食 (河出文庫 ま 1-6 BUNGEI Collection)

  • 河出書房新社 (1997年4月1日発売)
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感想 : 11
3

松浦理英子の本は少々読んでいるが、笙野頼子はとんと知らなかったものだから、始めは何がなんだか要領を得ない会話だった。

笙野頼子って何じゃぃ、これじゃ松浦理英子をいじめてないか!ってな具合。びしばし質問する笙野のいじわるっぽいのに、おっとりと真面目に応えている松浦さんの可愛い顔(ほら、本のプロフィールにあったものだから)が浮かんではらはら。

しかし、目次

1.なにもしていない馬鹿女(ナチュラル・ウーマン)の修業時代
2.物言う太鼓(トーキング・ドラム)のように

を読み進めるうちにお二人の特徴とかもす雰囲気が好もしくなってくる。

作家松浦理英子と笙野頼子の会話形式の『交友の一例』で、そう松浦理英子は名題したかったそうだが、なんとまあ『おカルトお毒味定食』とは(笑)

九十年代文学シーンをぬりかえたダブル・スーパー作家が、不遇時代や日々の生活、創作の秘密、フェミニズム観などすべてを本音で語りあいながら、つまらぬ世間をけちらして、読む者をふるいたたせるラディカルにして繊細な対話。(BOOK紹介文)

さらに

3.ペシミズムと快楽と
4.そして長電話は続く

と続くうちにすっかり笙野頼子に興味を持ってしまったわたし。だって打てば響くようなおもしろい会話でイニシアチブは笙野さん、どんどん「女性教カルトチック」(わたしが勝手につけた)と思える方向に進んでいくではないか。

笙野さんの「はきはき」さがいいよねぇ。

一度、食べたらやめられない。
ダブル・スーパー作家の乱れ撃ちジャンキー・トーク。(なんて紹介文も)

この語り合いで攻撃的な、さかんにご自分が野獣的だと言ってる笙野さんのお顔、興味津々ネットでさがしました。ありました。むむむ。

ともかくもすっかり笙野頼子にまいり、手に入った『幽界森娘異聞』を読み始めているわたし。

笙野頼子、芥川賞(1994年)作家でもある。まだまだ知らない(好きになるかも)作家がわたしにはある。この本は絶版とのこと。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2007年
感想投稿日 : 2021年8月31日
読了日 : 2007年11月16日
本棚登録日 : 2021年8月31日

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