とんび (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2011年12月25日発売)
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広島の田舎町で、ヤスは愛妻の美佐子さんと息子のアキラと三人で幸せな日々を送っていた。
だが、アキラが1歳のとき、不慮の事故で美佐子さんが亡くなってしまう。

照れ屋で意地っ張りで不器用な父。

危なっかしい子育てをするヤスと幼いアキラを、近所の知り合いや幼なじみ、職場の同僚が家族のように親身になって世話を焼く‥

重松さんの文章が心に染み込んできて、涙無くしては読めなかった。

親だって完璧な人間じゃない。
いけないとわかっていても、言ってしまって後悔したことも数え切れない。
自分の子育ての後悔と、ヤスの抑えきれない衝動が重なった。

反抗期には家出もしたアキラだったが、心根の優しい親想いの青年に育つ。
それは、一見メチャクチャなことを言っているようでも、本当の芯の所は外してないヤスの真剣な子育ての成果だと思う。

それにしても、事あるごとに涙を流すヤス、泣きすぎ!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ヒューマンドラマ
感想投稿日 : 2023年1月25日
読了日 : 2023年1月25日
本棚登録日 : 2023年1月24日

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