ぎょらん

著者 :
  • 新潮社 (2018年10月31日発売)
4.22
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本棚登録 : 2216
感想 : 233

ホラーだと思って読んだら全く違ってびっくり。
初めて読む作家さんだから文章に慣れるのに時間がかかるのかな?と思ってたけど、そんな心配は無用。始めから夢中になって読んでた。それにもびっくり。

連作短編集でそれぞれに主人公がいるんだけど、全編を通して登場するのが【御船朱鷺】だ。私にとっての真の主人公だ。彼がとてもカッコいい。最初は息をフッと吹きば何処かに飛ばされてしまう軟弱な男かと思ってたけど、全然違う。不器用だけど芯が強くて優しい。あと、イケメンらしい。

親しい人の死に直面し、悩み苦しみながら死を乗り越えていく。その助けをしてるのが朱鷺君だと思う。朱鷺くんの優しい言葉がどんなに励まされたことだろう。この話は各話の主人公と朱鷺君が同時に成長していく二重構造になっていると思う。朱鷺君は一話ごとに強くなっていく。

そんな朱鷺君にメロメロになってしまった。私は登場人物に感情移入するのは滅多にないので珍しい。これにもびっくり。

勘違いで読んだ本がとてもいい出会いになりました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年5月16日
読了日 : 2022年5月16日
本棚登録日 : 2022年5月16日

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