世界史の構造 (岩波現代文庫)

著者 :
  • 岩波書店 (2015年1月16日発売)
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産業資本の本質はあくまで、「労働力の商品化」にある(本書p.319)
ここにはカールポランニーの悪魔の碾き臼をさらにわかりやすくしている。土地、資本、労働力(労働ではない)の商品化のうち、土地や資本の商品化は昔からあったが労働力の商品化によって全面的な商品化が可能となる。万物の商品化とウォーラーステインの指摘とも一致する。
「そして信用とは商品交換の困難をとりあえず超える手段」(p319)
信用創造という機能を銀行が持つこと、それは誰かの借金でなければならないこと。
信用は儚いものである、誰かの借金と誰かの返済能力は労働力商品の評価という会計的に非常に困難な人的価値の評価を含んでいるからだ。価値の評価は難しい。

また恐慌は資本主義の発展に必要だから起こる暴力的な現象で、失敗というより必然であり、必然的に中小の資本家や労働者は淘汰される。320〜321

景気循環をもたらすのは労働力商品に固有の性格。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2020年2月9日
読了日 : 2019年3月29日
本棚登録日 : 2018年1月7日

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