「この世にアイは存在しません。」
という印象的な言葉から始まり、このフレーズはたくさん出て主人公であるアイを葛藤させる。
この本のテーマはiでありidentityであるのは、この本を読んだ皆がわかる事。
日本とシリア人のハーフであるアイは、幼い頃から
貧しい人達を見てきた。一方でアイの家は裕福であり、親も理解がある。そんな境遇で生きてきたアイにとって、自分は幸せであることとともに、幸せな世界で生きている私は許されるのか、いつも頭のどこかでそう思うようになる。
「この世にアイは存在しません。」
このフレーズの呪縛が解けずにいるアイの人生への葛藤と、
アイにはないものを持つ親友ミナの存在が
アイの思考を、行動を、世界を変えていく。
西さんの本の凄さは、西さんにしか書けないであろう人物設定と変化だと思います。ぜひ味わって見てください。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
青春
- 感想投稿日 : 2019年5月4日
- 読了日 : 2019年5月4日
- 本棚登録日 : 2019年5月4日
みんなの感想をみる