チェーン・スモーキング (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1996年3月28日発売)
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本棚登録 : 918
感想 : 72

ほどよく自制が効いた、ストイックな美学の産物としての文章が心地よい。沢木耕太郎にしか生み出せない独自の世界が立ち上がっているように見える。悪く言えば彼の世界はそれだけ閉じている、とも言える。なにをどう見てもどう感じても彼の世界を砕く方向に作用するのではなく、彼の美学の中に呑み込まれていくように感じるのだ。多い日も安心。と、半畳を入れるようなことを書いてしまったがこの美学の生々しさ/強度は侮れない。どこか哲学的でもあり、彼の目線の動き方は「なにを書くか」ではなく「どう書くか」が大事だと教えてくれる作用がある

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年2月10日
読了日 : 2022年2月10日
本棚登録日 : 2022年2月9日

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