英国の人種的多様性が生み出す社会の蠢きを感じた。読み終わった今日12/13 保守党の圧勝が告げられ、EU離脱へ一気に動き出すことが確定的となった。
日本と同じ島国なので似たところも感じるけど、階級社会のなかで確立されている労働者階級の屈託のなさや、教育基準局(Ofsted)のドンと構えた制度設計には国の歴史というか、議会制民主主義国に至った分厚い経験が蓄積されているのも見えてくる。
(日本で目にするEU離脱の報道は、離脱することのデメリットや、「それを本当に選択したら困るのは英国民自身じゃないの」的な側面が強いのに、違和感を覚えた)
日本人の母とアイルランド人の父を持つ少年が、成長していく過程がよく切り取られている。
自分とは違うルーツが違う人間が経験を通して見せてくれる感性こそが、私という人間の感受性を明らかにしてくれる。
子どもは母の影響かで育まれるものだなぁとも感じたし、この母にしてこの子ありとも感じた。
各エッセイの終わりに著者が呟く短い言葉が良い。成長と将来(息子と息子の暮らす未来)に期待を込めているのがわかる。ーーこの佇まいが、この2人を大きくしている。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年12月13日
- 読了日 : 2020年3月21日
- 本棚登録日 : 2019年12月11日
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