晴れた日は巨大仏を見に (幻冬舎文庫 み 10-3)

著者 :
  • 幻冬舎 (2009年10月1日発売)
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感想 : 39
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大仏といえば、奈良東大寺の大仏や鎌倉の大仏などが有名ですが、それ以外にも日本には数多く大きな仏像があるようです。それらはタイトルにあるように、大仏というより巨大仏と呼ぶ方が相応しいような建造物です。
日本にいったいどれだけ巨大仏が存在するのか知りませんが、著者はその中から40メートルを超えるものにターゲットを絞って訪ねています。なぜ40メートル以上かというと、ウルトラマンの伸長を超えるものというのが基準になっているからです。
それにしても巨大仏というのは存在自体が異様ですネ。ボクも淡路島で目にしたことがありますが、現れ方があまりに唐突で、車で走っていたとき、何の前触れもなくど~んという感じで突然風景の中に出現し、???となった経験があります。
日本の巨大仏の共通点としては、なんでこんなところにこんなものが?という違和感。風景とマッチしないアンバランスな唐突感。その多くが資産家が個人で建立したもの。観光地として認知されていない。人が寄りつかない・・・などなど、どちらかというとネガティブな事柄が多いようです。
それにしても何で巨大仏なんでしょう?そんな余裕があるなら、寄付したり、学校を建てたり、もっと役に立つお金の使い道がありそうなものですが。もしくは、それこそウルトラマンとかゴジラとか大魔神とかキングギドラとか、もっとみんなが喜びそうなカッチョイイものを等身大で建てるとかすれば、人が集まってくるのになぁと考えてしまいます。んが、その答えもこの本の中にありました。おぉ、そうだったのかッ!!と、ひざを打って納得できるような答えではありませんでしたが・・・。
著者に同行するお二人の行動やものの考え方、捉え方も摩訶不思議で、やっぱり類は友を呼ぶんだなぁとゆる~い気分で読んでいたりなんかすると、ところどころにスルドイ風景論みたいなものが散りばめられていて、なかなか油断のならないエッセイでした。


べそかきアルルカンの詩的日常
http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ・随筆
感想投稿日 : 2016年7月2日
読了日 : 2016年7月2日
本棚登録日 : 2016年7月2日

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