グランド・マザーズ (集英社文庫)

  • 集英社 (2009年6月26日発売)
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感想 : 9
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どの話も登場人物たちが遠くて、小説というより小説の筋を読んでいるような気持ち。どうにも歯がゆかった。「グランド・マザーズ」なら、苦い高笑いをしなくてはならなかったのはロズひとりなのか、「ヴィクトリアの運命」なら、ヴィクトリアの娘にかかわる人たちは何を思っていたのか、「最後の賢者」なら”賢者”をそばで見ていた者たちに彼はどう映っていたのか。語られないことを想像して読む本なのだろうけれど、想像の材料になる細部がもっと欲しかった。それとも、人は遠いし歯がゆいもの、という本だったのだろうか。

「愛の結晶」の砂糖漬けの果物が一番心に残ったかもしれない。あの状況のジェームズの目に入るんだから、そうとうおいしそうだったのでは。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 英米 - 小説/物語
感想投稿日 : 2016年11月7日
読了日 : 2016年11月7日
本棚登録日 : 2016年11月7日

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