血を分けた子ども

  • 河出書房新社 (2022年6月24日発売)
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本棚登録 : 382
感想 : 24
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味が濃くて、目が覚める短篇集。身体と願望の分かちがたさと、そこから生まれる苦しみと未来。バトラーの小説の登場人物は、お風呂に入らないとちゃんとにおいそうなのがいいと思う。とくに「恩赦」に、人類は最悪な存在なのが一分の隙もなく描かれていてとてもよかった。

エッセイを読むと、たいへん真面目な努力の人だったのがわかる。SF風味がない短編はエッセイで窺える生真面目さが前面に出ていて、自分の中に共鳴する要素があまりない。そんなバトラーがスコシフシギを取り込むと、何か爆発的な圧を感じる短編を生み出すのがおもしろい。作家とジャンルの相性ということか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 英米 - 小説/物語
感想投稿日 : 2022年8月2日
読了日 : 2022年7月31日
本棚登録日 : 2022年8月2日

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