筆者がめちゃめちゃ頑張り屋で粘り強くてぴちぴち元気で、いたく感心した。40歳(原著発行時)がこんなにエネルギーに満ちた存在でいられるとは。読み始めたときは、彼女と比べてどうして自分はこんなになまけ者で自分のことばっかりなんだろうと軽く憂鬱になるほどだったけれど、だんだん元気が出てきた。嫌なこと、不当なことには異議申し立てしてもいいんだって気づかされた。
差別の話はつらい。人がいかに支配され貶められるのか、意識するしないにかかわらずそれを維持しようとする人たちが何をしているのか、私自身がどのように扱われているのか。ふだん考えないようにしていることを改めて指摘され、それについて自分が何もしていないことの後ろめたさ。変わってほしい立場の自分がこんなに気が進まないんだから、変えたくない人がどれだけ頑なでいたいことか(ため息)。
アメリカのポップカルチャーを題材にした章が多くて、それが実際にどういうことなのかくっきりわからないこともあった。それでも、この本を読んでよかったと思う。フェアでないことに気づくだけのためにも、そのための知識が必要なのがわかる。その知識を少しわけてもらったし、気づいたことをどのように考えればよいのかのヒントももらった気がする。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
英米 - 評論/エッセイ/随筆
- 感想投稿日 : 2017年4月8日
- 読了日 : 2017年4月8日
- 本棚登録日 : 2017年4月8日
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