キャッツ・アイ

  • 開文社出版 (2016年12月1日発売)
3.38
  • (1)
  • (1)
  • (6)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 54
感想 : 3
3

主人公の人生をたどるのはおもしろかったけれど、とにかく彼女が言いたいことは全部書いてあって当人はあまり整理しない(というか画業として消化する)ので、これはみなさん読みたいように読むだろうな...感想ばらけそうだな...という本だった。

テーマが子どもの頃に受けたいじめで、それで「自分には価値がないと思い込まされた」って主人公は言うんだけど、いじめから抜け出した後はそう思わされた人の行動はしていないように見えた。普通に努力できるし進学して仕事も得て、家庭を持って。意識する自己像と実際は違うっていう話なのかもしれないけど、じゃあなんでこんなに主人公の思ったことばっかりながながと描写されるのか、そこがぴんとこなかった。コーデリアへのこだわりは異常というか、それが彼女にとって唯一、つじつまの合わない弱点なのかな、と想像したりはしたけれど。

ある時点で解消されなかった痛みはそのまま固定されて見えなくなる、という話なのかもしれない。けどちょっと長かったわ~

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 英米 - 小説/物語
感想投稿日 : 2021年3月7日
読了日 : 2021年3月6日
本棚登録日 : 2021年3月7日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする