花のれん (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1961年8月17日発売)
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本棚登録 : 1124
感想 : 138
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第39回(昭和33年度上半期) 直木賞受賞。
吉本興業の創業者、吉本せいさんをモデルにした作品だと言われています。大阪弁がこんなにも面白いものだということを、この作品を通して知りました。大阪弁は商いのことばともいわれますが、大阪弁が持つ独特な訛りが大阪という町で生まれ育った人の根底を作る文化だと思いました。大阪弁で怒れば、怖さが増し、褒めれば温もりを感じます。特に、登場人物が使う大阪弁でのお礼の言葉は、大阪人にしか使えない言葉であり、大阪人の気持ちを見事に表す言葉だと感じました。作品の内容も女性の商人で活気あふれる様子が手に取るように感じますが、大阪弁の面白さを最初から最後まで楽しめる作品という印象が強かったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 直木賞作品
感想投稿日 : 2016年1月15日
読了日 : 2016年1月14日
本棚登録日 : 2016年1月15日

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