火の粉 (幻冬舎文庫 し 11-4)

著者 :
  • 幻冬舎 (2004年8月5日発売)
3.86
  • (710)
  • (1153)
  • (891)
  • (84)
  • (16)
本棚登録 : 7301
感想 : 915
5

最後まで読み終わると「火の粉」というタイトルの意味が分かりますし、第1章「判決」と最終章「判決」がどうして同じタイトルなのかもわかります。この理由が分かった時、ドキドキ感が増します。

主人公の元裁判官の隣に引っ越してきた男。ある事件で無罪とされた男が主人公の家族を自分の世界に連れ込もうとして、家族関係が乱れていきます。この男から逃れることがなかなかできず、またじわじわと間合いを詰めてくる様子、この男の手中に収まっていく家族の心理描写がリアルな感じがしてページをめくるスピードも速くなっていきました。また、この男のような人、もしかしたら自分のすぐ近くにもいるのではという気持ちにさせられるような恐怖が読みながら襲ってきます。

人が人を裁くということの難しさを痛感する作品でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー小説
感想投稿日 : 2023年9月29日
読了日 : 2023年9月27日
本棚登録日 : 2023年9月29日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする