ふたつの月の物語

著者 :
  • 講談社 (2012年10月24日発売)
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本棚登録 : 529
感想 : 79
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 養護施設で育ったみづきと、親代わりの住職を亡くしたあかり。接点の無い2人に里子の話が持ち上がり、夏の間、里親の別荘で過ごすことに。突然現れた里親候補、別荘のそばに広がるダム湖に沈んだ村、2人の少女の出生を結ぶものは?

 図書館本。
 読んだことのある富安作品に比べ、ぐっと大人っぽい雰囲気を漂わせている。ただ、ダークテイストでも、やっぱり富安節なわけで。
 なかなか引き込まれるスタートを切り、謎また謎の展開で、ふとページを確認すると残りが3分の1も無い。えっ、これ収拾つくの?と思ったら、すごく平和な方向へ。今までのミステリアス、サスペンスフルな展開は何だったのか。私のようにホラーやサスペンスを期待すると、ガクッと来るので要注意(笑)。
 2人の秘める力も、過去を探るためのツールという扱いなのも残念。まあ、本の厚さからすれば、大冒険にならないのは想像がつくけど。
 里親の津田さんをもっと掘り下げてほしかったが、そうすると児童向けの範疇から逸れてしまうかなあ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2022年8月25日
読了日 : 2022年8月25日
本棚登録日 : 2022年8月25日

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