晩白柚さんの感想・レビュー

おばけのてんぷら (絵本のひろば 29)

著者 : せなけいこ

• ポプラ社

　食べることが大好きなうさこは、てんぷらを作ることに。野菜をたくさん揚げていると、いい匂いに誘われて、山からおばけが……。


　図書館本。
　ほのぼのとした温もりのある絵のわりに、話の方は予想外に肝が冷える（笑）。
　もう、いきなり近い近い近い！ お弁当見せて～♪ってそんなに寄らなくても。近視とかそういうレベルじゃない！ おかずも強奪するし……。
　小遣い全部てんぷらの材料に注ぎ込むわ、眼鏡外しただけで周囲のことがほぼ見えなくなるわ、大丈夫なのか、うさこ！
　まあ、本人は楽しそうだからいいけど。

　柄や質感の異なる様々な紙のセレクトが秀逸。うさこは和紙のけばを活かしてフワッと、野菜はキッパリした色で、買い物袋はいかにも紙袋らしい英字柄で、とそれぞれ相応しいものが選ばれている。
　これだけの紙を揃えておくの、かなりの手間ひまがかかっているんだろうなあ。

　肝心のあのてんぷらは……チッ、食べないのか（笑）。

感想投稿日 : 2023年12月21日

読了日 : 2023年12月20日

本棚登録日 : 2023年12月21日