ヘイスティングズの春が訪れる話でもあり、「恋の盲目者」が陥りがちな失敗を数回犯してしまう話でもある。ポアロおじさんも、これには参ったろう。
俗に言う、どんでん返しがある。双方が(ベラとジャック・ルノー)庇い合っている、という状況を一早く推理できる人は、指数の計算とも合わせて大体展開の予想はできるが、予想できているとしてもやはり「どんでん返し」というのは、性に合っているのか小気味いい。
トリックというトリックはないものの、「紐」がこんがらがってしまっているため、どこがどうなっているのか、わからなくなってしまっている事件となっている。それをほぐしていく手腕の鮮やかさと言ったら!
何故、穴が掘ってあるのか。何故、鉄管がそばに落ちているのか。何故、浮浪者が死んだ後にナイフを刺したのか。夫人の「今となっては、もうどうでもいいことだけれども」とはどういう意味なのか。
ポアロおじさんの推理を聞いてみよう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ミステリ
- 感想投稿日 : 2012年11月10日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2012年11月10日
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