中干しによって稲が活力を得るように、力が湧き上がってくる。こんな小説が読みたかった。
中学校で美術を教えてる友人が、生徒のためにこの本を教室に置いたと聞いた。
水墨画の魅力を伝える本。いいえ、喪失感を味わったものに命を吹き込む本だ。
青山君と師匠の「孤独の共振」。二人の目から涙が溢れた瞬間に壁がスッと消える。花、生きている命と、一体化する心。自然と手が動いていく。描けなかったことが嘘のように。
長い月日を経て「ただいま」と言う勇気。返ってくるはずのない「おかえり」が返ってくる。ボロっときた。その彼女の声こそ彼の支え。
読後感も最高だった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
砥上裕將
- 感想投稿日 : 2024年4月29日
- 読了日 : 2024年4月29日
- 本棚登録日 : 2024年4月29日
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