耕作が悩みながらひとつひとつ乗り越えて成長するさまがいい。兄の拓一は命懸けで大切な人、大切なものを守ろうとする言わば理想の人だ。泥流地帯の不毛な土地を復興させようと、挫けずにポジティブに汗を流し続ける。暴漢に襲われた弟耕作の代わりに大怪我をしても。
正しいことをして報いはなくても、試練と受け止めて生きる拓一。そんな兄を尊敬し、精神的な成長を遂げていく耕作。
この兄弟が泥流地帯を開拓するように、未来を切り拓いていく。
私が好きな場面は、節子の真実を耕作が受け止める場面。姉のために家族のために中学進学を諦めた耕作を思い、人知れず泣いた節子。それが耕作の胸に届いてよかった。
福子の幸せをみんなで祈るところにも感動をおぼえる。
希望と勇気が湧いてくる作品だった。
三浦綾子さん、ありがとうございます。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
三浦綾子
- 感想投稿日 : 2024年4月1日
- 読了日 : 2024年4月1日
- 本棚登録日 : 2024年3月31日
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コメント 1件
日帰りトラックさんは40歳!プラスおっちゃん!さんのコメント
2024/04/02