夫の墓には入りません (中公文庫 か 86-2)

著者 :
  • 中央公論新社 (2019年1月22日発売)
3.77
  • (106)
  • (231)
  • (182)
  • (20)
  • (3)
本棚登録 : 2170
感想 : 175
4

夫が急死した。これで自由な毎日がやってくる。好きな長崎の街で、好きな自宅で暮らすことが出来る未来を思い浮かべるが、、、

葬儀が終わると、舅姑が仏壇の話をもつてくる。合鍵を使い、まるで自宅のように姑の友達を呼んでいる。当たり前のように家に入り込んでいる姑。

自宅には、線香をあげたいと、全く知らない人間が押し寄せる。中には詐欺まがいの人間までもが。。。

都合よく嫁を使おうとする親族たち。
自由とはほど遠い生活が待っていた。

しかし意外な人間が彼女を救うために立ち上がる(笑)


この本には、結婚後の女の理不尽さ等、共感できる部分が随所に散りばめられていた。
全然自分とは違う状況だが、この場面はわかる!という描写がいくつも。

性格的にも、私はこの主人公にそっくりな気がした。何でも頼まれるとやってあげたくなるお人好し。そこにどっぷりと甘える周りの人間。
自分が相手を傷つけないように、しっかり話さないことには、相手にいいように利用されてしまう。全く自分のことじゃないかと(^_^;)
読んでいて色々反省する部分も多かった。

愛人の真相がわからず終いなのが、何となくモヤモヤしたが、ありそう、ありそうって読んでいると、あっという間に読み終わってしまった。

垣谷先生らしく、ほわっとした気持ちで本を閉じることができた(*^^*)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年11月7日
読了日 : 2021年11月7日
本棚登録日 : 2021年11月7日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする