本屋さんのダイアナ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2016年6月26日発売)
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同い年のダイアナと彩子の交流と成長・葛藤・嫉妬・誤解と再会の物語。

裕福な家の彩子。キャバクラ勤めの母との二人暮らしのダイアナ。彩子はダイアナの華やかなところに、ダイアナは彩子の優雅なところに惹かれ、本・読書という共通項に結ばれて仲良しになる。

ところが、二人が少し成長して、境遇・進路の違いや肉体の変化が原因の些細なことから、絶縁状態に。二十歳過ぎまで交流が途絶えてしまう。

絶縁状態になっても二人はお互いを認め合っていたのに、もったいないなぁと思いました。二人が再会して小学生の頃と同じような気持ちで接することができるまで長かっただろうなぁ、と思いました。

裏表紙に「ガールミーツガール小説」って書いてあったので、少女マンガ的な物語なのかなぁって思っていたんです。なんかほんわかした感じの。ところが、なかなかハードな事件も起こったりして、予想外の衝撃を受けました。まぁ、ないことはないんでしょうけどねぇ・・・。ちょっとショックでした。

けど、最終章の「呪いを解く方法」のためには必要だったのかも、ですが。でも、彩子ちゃんは普通の大学生活を送って欲しかったな、と思いました。完全に親目線ですが・・・。

物語の内容が全部楽しかった訳ではないですが、楽しく読めました。

二人のヒロインはもちろん良かったけど、ダイアナのお母さんのティアラさん、ダイアナと彩子と同級生の武田君。良いキャラでした。

他の柚木作品も読んでみようと思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2023年7月16日
読了日 : 2023年7月16日
本棚登録日 : 2023年5月31日

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