懐かしかったですな。大学時代。いっぱい飲んだ。朝まで下らない話で盛り上がった。何にも縛られないで、自分の思いつくままに時間を使っていた。そして、就職活動は嫌だった。周りを見て焦り、合同説明会に行き絶望し、まだ社会へ放り出されたくないのに結構必死に『就活』をした。嫌々自分を見つめ直し、ありもしない長所を見つけようとした。自分が『何者』かも分からないのに、『何者』かにならなければならなかった。
自分が『何者』かなんて今でも分からない。でも無理矢理にでも『何者』かにならなければ家から出ることができない。そのくせ『何者』を意識すればするほど自分を作っている感覚が尖る。
この小説は自分が『何者』かを問い質されているようでパワーが要りましたよ。人間なんて弱いから、色んな手段を使って不安定な心のバランスをとっている。客観的に見ると卑怯に映ったり、見てられなく映ってもみんなそれなりに必死に生きている。どんな姿でも一生懸命を笑ってはいけない。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年9月10日
- 読了日 : 2019年9月10日
- 本棚登録日 : 2019年9月10日
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