マイトレイ/軽蔑 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-3)

  • 河出書房新社 (2009年5月8日発売)
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感想 : 24
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221115*読了
マイトレイも軽蔑も、どちらもある一人の女性を巡っての男性の回想録。
しかもどちらも実話が基になっている。

マイトレイは、ヨーロッパからインドへ渡り、現地で働くアランと、インド人であるマイトレイとの恋物語。
何かと制限があり、思うままに恋愛ができないインドで二人は愛し合ってしまった。
若いからこその過ちといえばそれまでだけれど、当時の二人にとっては、ただただ夢中で、夢のような時間で、そこからの絶望は死にたくなるほどだったのだろう。
異文化に触れ、傾倒していく様子に、私も引き込まれました。

軽蔑は、ある夫婦の妻側が夫を軽蔑し、関係が破綻していくという話。
随分と前に書かれた話だし、日本とイタリアで場所も違うけれど、この女性が男性に抱く軽蔑に共感。
どんなに愛していても、軽蔑するようになってしまうきっかけってあるし、一度軽蔑してしまったら、もう修復不可能だと思う。
カプリの別荘で過ごす場面の描写が美しかったり、夢想的であったりしてよかった。

自分が女性だからか、男性側に感情移入することはほぼなくて、女性側の気持ちを想像して、分かる分かるとなってばかりでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年11月15日
読了日 : 2022年11月15日
本棚登録日 : 2022年11月15日

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