ウェーバーによる1919年1月の講演。時は第一次大戦直後。ドイツは敗戦、革命、飢餓の混迷の只中にあった。解説によると、ウェーバーは愛国的な人物であったらしいが、この時代背景を考えると本当に気合のこもった講演である。講演ゆえに、勢いに任せたような面白さもある。
学問と政策の違いが説かれ、学問は主観的な価値判断から自由でなければならず、教師は政治的立場を生徒に押し付けてはならないとされる。一方、この講演は学問と言うより政策の口調で語られている。しかし学問はそれ自身が知るに値するものかどうかという前提については答えることができない、と言うのだから、学問の意義を語るには政治の言葉を用いるしかないのは当然なのかもしれない。
アメリカの学問の実利主義ぶりをくさしている所は、内田樹の教育論とおんなじ。
「学問の領域で「個性」を持つものは、その個性でなくて、仕事に仕える人のみである」
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- 感想投稿日 : 2018年11月5日
- 読了日 : 2013年4月8日
- 本棚登録日 : 2018年11月5日
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