サラッと表面を撫ぜるような感じのインタビュー集なので、インタビュイーの面々をすでに知っている人には物足りないだろう。それでもインタビュイーはもっともポピュラーな人々を集めてあるので、それぞれの仕事の紹介としては便利な一冊かも。
チョムスキーに話を聞くとやっぱりアメリカ帝国主義批判のほうがメインになるかね。生成文法のこと話されてもよくわからんから仕方がないか
ミンスキーは初めて読んだが、ここ数年のディープラーニングの発展で言っていることが急速に時代遅れになっているのではなかろうか
レイトンもアカマイ社の存在含めて初めて知ったが、始めはそんなつもりはなかったが誰も自分たちのアイデアを事業化してくれなかったので仕方がないから自分でやったという成功譚は愉快。アメリカらしい
ワトソンは、ちょうどいま読んでいる中井久夫『記憶の肖像』にシンクロする話があった。ワトソンが言う「学生だった利根川進をアメリカに行くよう薦めた」人物は渡辺格氏という京大ウイルス研究所の名プロデューサー。ノーベル賞を獲ったばかりのワトソンを渡辺が日本に招聘した逸話もあって、中井は「27か8歳でノーベル賞を貰うと後の人生は大変だろうな」ともうアタマの薄いひょろ長い姿を見て思った。帰国した彼の噂は「なかなか結婚できないでいる」であって、ノーベル賞を獲ってもフットボール選手ほどにももてないアメリカの現実だと。まあ御年80余歳のワトソンは非常にお元気そうである。
みなさん宗教には帰依していなくて(キリスト教の実践者ではあるが、信仰者ではないby フリーマン・ダイソン)、読書はSF推しが多いのが面白い
- 感想投稿日 : 2018年11月5日
- 読了日 : 2017年4月3日
- 本棚登録日 : 2018年11月5日
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