宇宙論と神 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社 (2014年2月14日発売)
3.22
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本棚登録 : 381
感想 : 21

私たちが今まで解き明かしてきた宇宙に関する事実はすべて神による戯れだったのかもしれない。そんな不安とも言えるイメージを彷彿とさせる書籍だった。かつてエントロピーと呼ばれていた宇宙空間も今や物理学云々、量子力学云々で説明されてしまっている。所詮、人間の解釈でしかないことはさておき、宇宙が不変であることは確かに感じることができるのである。アインシュタインが好んだ静的な宇宙は皮肉にもハッブル定数よって否定された。何を言いたいのかと言うと、この世界はふとした瞬間にまったく違ったものに変容してしまうのではないかということである。私たちは目に見えない宇宙について机の上で手を揉みながら考えている。それよって宇宙についての多くの謎が解明されたが、それによって宇宙の本質を知ったことは少なかった。ようは人間の解釈によっては無限の解釈ができるということである。それが丸々この本の味噌になっているような気がした。私たちはもう1度『当然』を見直して考えてみる必要があるのかもしれない。そう思えた本だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年11月13日
読了日 : 2017年11月13日
本棚登録日 : 2017年11月13日

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