連続殺人事件、そしてその最後の被害者が九死に一生を得る。彼女の依頼から担当刑事は謎解き好きの恋謎会を招集し事件の真相を探ろうとする。
ということで、話の大半は恋謎会での侃々諤々の真相究明の推理合戦がメインとなる。ここらは「黒後家蜘蛛の会」パターンで、わずかな真実から次々と繰り広げられる大胆な(無謀な)推理は興味深いが、さすがに中盤ダレルのが残念。しかも話の真相は作者のフェアな文章表現ゆえに分かる。
ただそこからの犯人の動機、そして殺害時間のヒネリには気づかなかった。ラストは蛇足のような気もするが。
西澤氏の作品は以前一度読んでそのトリックに驚いたが、今回も着想が見事。不要な会話やエピソードも多いがこれは映画化したら意外と面白そう。それぞれの迷推理を映像化していけば話の動きもあるし。主演は松下奈緒辺りかな?
特番スケールの作品だけど、キャスト次第で劇場公開も可能だろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
本格推理
- 感想投稿日 : 2016年7月25日
- 読了日 : 2016年7月25日
- 本棚登録日 : 2016年7月25日
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