従妹ベット 下巻 (岩波文庫 赤 529-6)

  • 岩波書店 (1950年9月20日発売)
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感想 : 3
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 鹿島茂「悪女入門」によれば、「タイトルが少しそぐわないのではないか(中略)主役である『妖婦ヴァレリー』でも『好色男ユロ』でもなく(中略)醜い従妹ベットがタイトルに使われているからです」。
 「好色男ユロ」。他の翻訳では「好色一代記」の副題があったように思う。エクトル・ユロのモデルは文豪ヴィクトル・ユゴーというが、サチュリア(男性色情狂)の疑いがあるユゴーならさもありなん。
 ベットが手を下さなくても、ユロ家は家長の度を越した猟色により、瓦解したのではあるまいか。
 河出世界文学大系版で本文・解説を読んでから、岩波文庫下巻の解説を読む。
 追記:闇の仕事師みたいなサン・テステーヴ夫人の迫力が際立っている。さぞかし「人間喜劇」の中で暗躍するのだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 図書館
感想投稿日 : 2021年9月15日
読了日 : 2021年9月14日
本棚登録日 : 2021年9月6日

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