のらくろ一代記: 田河水泡自叙伝

  • 講談社 (1991年12月1日発売)
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本棚登録 : 9
感想 : 1
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 BSで『マー姉ちゃん』が再放送されているので、長谷川町子について書かれた部分だけ読むつもりが、全て読み返してしまう。
 田河水泡による自叙伝は関東大震災のところまで。「夜遅く君のような長髪で歩いていては、自警団に怪しまれて危険だから、今夜は警察で保護する」とあり、千田是也が暴徒に殺されかけたという故事を思わせる。
 戦前の大ヒット漫画『のらくろ』のバックステージが、作者その人から語られないのは惜しい。しかし、文章は奥様(高見澤潤子)の方が読みやすい。
「のらくろの黒つぶしのところを塗ったり(中略)電話の取りつぎといった仕事は私がやった」。ベタという用語は手塚治虫の編集者が思いついたらしい。それを「黒つぶし」と呼んでいるのは歴史的に見て面白い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年12月17日
読了日 : 2021年12月14日
本棚登録日 : 2021年12月14日

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