戦争の日本近現代史 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (2002年3月19日発売)
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感想 : 70
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明治から昭和までの戦争に視点を当て、当時の日本政治指導者たちの論理の変遷を述べたもの。とかく戦争批判者が、当時の政治家や軍部を、感情的な判断であるとか浅はかなチャレンジ精神と批判するが、時の為政者もそのような単純な思いから戦争を起こしたわけではない。当時の政治指導者、軍部が、どのように世界情勢をとらえ、国民を説得し、戦争に踏み切ったのかを克明に述べている。ただし、ジェームズ・ウッド著「Japanese Military Strategy in Pacific War - Was Defeat Inevitable?」で、日本の太平洋戦争の当初の戦略プランはほぼ完璧で日本の開戦決定は間違っていなかったとの論に比べると、加藤氏は、日本の誤った侵略戦争との前提に立った論理展開をしているようで、研究は極めて深いものの微妙に違和感を覚えた。

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感想投稿日 : 2018年12月8日
読了日 : 2018年12月8日
本棚登録日 : 2018年12月8日

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