第18章で、急に17歳になっている。
(その記述の直後に「じきに二十一歳になるじゃないか」)231P ともある)
そして語り口も、それまでは、小学生くらいの感じだったのが急に青年な感じに変わって、びっくりする。
純朴なディヴィッド。人が好すぎて、出会う大人たちにすぐにだまされやすそうで、心配になるほど。
青年になっても、やはり素直な人柄で、基本的に出会うひとはみな好きになり、人をさげすんだり嫌悪したりはしない。おそらく、こういう善なる性格が、その後の彼の人生を良い方に導いてゆくように思わせる。
前巻末で、丁稚奉公みたいな職場から出奔したディヴィッド。
ほぼ徒歩で、ロンドンからドーバーへ。父方の伯母のもとを訪ねて三千里、的な道行き。
わずかな路銀も失ったので、衣服を古着屋に売ったりする。浮浪者のような様相で、飢えに苦しみながらテクテク歩く過酷な旅。恐らく、デイヴィッドの人生の山あり谷ありのなかでも、最低にどん底の時期の様子。
だが、伯母の家を見つけて、彼女の保護を受け、近傍カンタベリーの学校に入学。
経済的庇護もうけ、平和ですこやかな少年時代をすごしてゆく。
こんどの学校は、教師らの不条理な暴力もなく、また敬愛する先輩にも出会う。
その後、学校を卒業したデイヴィッドに対して伯母は、社会に出るまえにちょっと世の中を見てきなさい、と旅に出ることを勧める。
その道中で、先輩のスティアフォースと偶然再会。彼と一緒に、ドーバー地方を旅してまわる。ふたりでペゴティー一家の「船の家」を訪ねたりもする。
その後、デイヴィッドは伯母の勧めでロンドンの法律事務所に職を得る。( 「 ローマ法博士会 」所属?の「 スペンロウ・アンド・ジョーキンズ法律事務所 」の期間仮採用となる)
- 感想投稿日 : 2023年5月4日
- 読了日 : 2023年4月22日
- 本棚登録日 : 2023年4月11日
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