モネ 水の妖精 (イメージの森のなかへ)

著者 :
  • 二玄社 (2009年2月1日発売)
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本棚登録 : 31
感想 : 7
4

印象って何でしょうか。

そんな問いかけから本書ははじまります。
印象に対するモネの考え方もずいぶん変わっていったようです。

晩年にはただ眼に写った印象ではなく、
「印象を、さらに内なる眼を通して」描いた絵、
かたちが「単純化」され、そのかたちの世界すらのりこえた「新しい絵画」を誕生させます。

その絵『日本の橋』は、ぱっと見よくわからない絵
なのですが、解説を読むと世界が反転します。
光と大気と生命の輝き、モネの心象風景までも描いているように見えるのです。この絵はすでに〈物語〉なのかもしれません。


なぜあんなに睡蓮を描き続けたのかも謎の一つです。本書では睡蓮という妖精に恋をしたから、という斬新な?説が出てきます。

知識ゼロからモネの世界を楽しめる
芸術的な一冊でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年11月3日
読了日 : 2023年11月3日
本棚登録日 : 2023年11月3日

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