利腕 (ハヤカワ・ミステリ文庫 フ 1-18 競馬シリーズ)

  • 早川書房 (1985年8月1日発売)
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本棚登録 : 286
感想 : 30
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かつて花形騎手だったシッド。だがレースで事故にあい左手が義手になった。今は相棒のチコと競馬界まわりの探偵稼業をしている。レースに勝つこと、それが第一の目標だったシッド、家庭はその次、それがもとで妻とも離婚してしまった。冷静さと頑強さ、ちょっとフィリップ・マーロウの雰囲気がする。

今回は、競走馬4頭の体調と成績がどうもおかしいと、かつて自分を育ててくれた調教師の妻、競馬シンジケートを持つ人物、当の競馬界の調査委員長から、調査を依頼され、おまけにかつての妻が詐欺に手を貸す羽目になってしまった、とそちらの調査も依頼される。馬の方は驚くべき事実が・・  妻の方は、だまされた男の正体を突き止める。その間、熱気球に乗るはめになったり、ドラマにしたらさぞおもしろいのでは?という場面が盛りだくさん。

ディック・フランシス、漢字二文字の題名は前から知っていたが、「海外ミステリ・ハンドブック」で”かっこいいヒーロー”の部門であがっていたので初めて読んでみた。これは1979年発表で今から40年前の時間感覚で粛々と物語は進む。訳文がいい。競馬シリーズでは第4作目。「大穴」の続編とも言える作とあり、そちらも読んでみたい。

☆早川海外ミステリハンドブック2015:かっこいいヒーロー&アンチ・ヒーロー

1979発表
1981.1.31初版(単行本) 図書館

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・ミステリー 海外(英米)
感想投稿日 : 2022年9月29日
読了日 : 2022年9月28日
本棚登録日 : 2022年9月29日

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