言葉はあれだが、「被害者面」をしないところにこの作品の魅力があるように思う。原爆投下を扱った作品にありがちな「書きすぎ」がしばしば読み手を白けさせるのに対して、本作はあくまで中立的な眼を通してこの大事件を写実する。といって無味乾燥な事実の羅列とも違う。爆撃で大やけどを負った岩竹博が白桃を食べて命を長らえさせるエピソードの熱っぽい瑞々しさが今も頭から離れない。
読書状況:読み終わった
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本
- 感想投稿日 : 2018年10月26日
- 読了日 : 2012年4月27日
- 本棚登録日 : 2018年10月9日
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