「私立探偵を主人公にした小説が最後の騎士道物語である」という解説の一文が、この作品の有り様の大部分を語っており、また納得もできる。過去のスペンサーものより暴力が前面に押し出されていたり、恋人のスーザンへ執着したりとターニングポイントにある作品らしい(「らしい」というのは、スペンサーシリーズ初見のためほとんど受け売りということです)。
以下気に入ったフレーズなり何なり。
22章・水族館の描写。「小さな子供が窓から覗き込むために私の前へ割り込んできた。見ると、ベルトが長すぎて体を一回り半し、余った部分が背中でベルトに押し込んである」(199)。
「犬がいれば散歩に連れて行ける。犬を連れたつもりで散歩すればいい」(254-5)。
読書状況:読み終わった
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本
- 感想投稿日 : 2018年10月17日
- 読了日 : 2012年2月24日
- 本棚登録日 : 2018年10月9日
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