失投 (ハヤカワ・ミステリ文庫 110-1)

  • 早川書房 (1985年10月1日発売)
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本棚登録 : 241
感想 : 18
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「私立探偵を主人公にした小説が最後の騎士道物語である」という解説の一文が、この作品の有り様の大部分を語っており、また納得もできる。過去のスペンサーものより暴力が前面に押し出されていたり、恋人のスーザンへ執着したりとターニングポイントにある作品らしい(「らしい」というのは、スペンサーシリーズ初見のためほとんど受け売りということです)。

以下気に入ったフレーズなり何なり。
22章・水族館の描写。「小さな子供が窓から覗き込むために私の前へ割り込んできた。見ると、ベルトが長すぎて体を一回り半し、余った部分が背中でベルトに押し込んである」(199)。
「犬がいれば散歩に連れて行ける。犬を連れたつもりで散歩すればいい」(254-5)。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2018年10月17日
読了日 : 2012年2月24日
本棚登録日 : 2018年10月9日

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