50年代生まれの男特有の根拠のない女にモテる謎の自信が行間から滲み出し続ける加齢臭ムンムンの文体
それに米国陰謀論と人類生物学の神秘とが闇鍋されたトンデモ作品
過去・現代とを行き来する作風
20数年の時を経て新たに気付く当時の事件の真実の数々
そして過去回想で次第に全貌が見えてくる事件の規模
この行ったり来たりの構成に作者の文体が合っていなかった
ある程度何が起こったかを事前に読者が予見させられた状態で、その問題の場面が後から描写される流れなのだが、
『そんなに大変な思いしたんなら、
序盤のそんな仄めかし程度じゃ済まんやろ』
まさにこれ。
前半に仄めかしておいて、後からその場面を回収することで整合性が取れるよね、
という構成が成り立っているかどうかにばかり気を取られて、
肝心の道平の心情が弱く感じた
その結果、物語全体の奥行きや展開も何だか予定調和にしか思えず、
『何が起きるか知っているのに面白い』なんてことがこの作品を読んでて起こらない
この行ったり来たりの構成を採用するに当たって
この作者の文章や表現描写は力不足
だいたい何だよ
マムシだのジープだの、登場人物らの通り名は
しかも一回くらいしか出てこないからノイズでしかない
加齢臭ムンムンの文体だった
もうそれが一番の感想だった
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年11月16日
- 読了日 : 2023年11月15日
- 本棚登録日 : 2023年11月15日
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