モロッコ水晶の謎 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2008年3月14日発売)
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本棚登録 : 1997
感想 : 132
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予言がテーマの短編集。

表題作の前に差し込まれている「推理合戦」が好き。掌編だからすぐ読めちゃうんだけど、ちゃんとアリスが推理してて好き。
というか、朝井さんと火村先生に対抗して現場までいっちゃうアリスが可愛い。
この話のために買っても惜しくない(笑)

「助教授の身代金」は昨今の誘拐事件事情(?)がよく分かる。この事件では誘拐というか、なんというか、真犯人の歪んだ愛と性癖の結果というか…。
犯人は怖かっただろうな、全然意味がわからなくて。

「ABCキラー」はドラマ特別編の記憶朧気にありながら読んだ。予告状の犯人が一番不気味。そいつも捕まえて欲しいよ火村先生。

そして表題作。
予言の裏の切ない想いが引き起こした殺人事件。
占いという曖昧模糊のものを根底としながら、あくまで推理は論理的。
げに不可思議は人の信じる思いかな。
そしてこの話の見所は、アリスが火村先生との想い出を第三者に話してたら1時間も過ぎたという点ではないかと思うのです。その直前の火村先生の悩みへの想いの部分も捨てがたいけどね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年10月14日
読了日 : 2021年10月11日
本棚登録日 : 2021年10月11日

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