『人形館の殺人』
2023年6月1日読了
館シリーズ4作目!
始まりからいつもとどこか違う…という気持ちがあったが、それもそのはず今回はクローズドサークルではないのだ。
舞台は京都・北白川にあるアパート兼住居「緑影荘」つまりはタイトルが示すところの「人形館」である。
といっても語り手「私」である飛龍想一は、近所の喫茶店「来夢」に入り浸っているし、友人・架場の職場であるK大学(おそらくは京都大学)に行ったりもする。
母と2人穏やかな京都での暮らしを送る中、少しずつ異変が起こり始めるのだ…。
***
ふとしたきっかけで思い起こされる飛龍の過去の記憶と、文中に突如として現れる「――」による語り。
絶対に何かあるという違和感はあるのだが、得てして確証がもてず、ずるずるとトリックの沼にはまってしまった。
たしかに異色作である。
しかし、「深い闇」のベールが徐々にはがれていく緊張感は、いつも以上におもしろいものがあった。
解説の太田忠司氏が言うように「読書とは格闘技」ならば、今回も綾辻行人に大敗してしまった。でも、それが心地よく、いつも求めてしまうのだ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年1月20日
- 読了日 : 2023年6月3日
- 本棚登録日 : 2023年6月3日
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