人形館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2010年8月12日発売)
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本棚登録 : 5550
感想 : 400
5

『人形館の殺人』
2023年6月1日読了

館シリーズ4作目!
始まりからいつもとどこか違う…という気持ちがあったが、それもそのはず今回はクローズドサークルではないのだ。

舞台は京都・北白川にあるアパート兼住居「緑影荘」つまりはタイトルが示すところの「人形館」である。

といっても語り手「私」である飛龍想一は、近所の喫茶店「来夢」に入り浸っているし、友人・架場の職場であるK大学(おそらくは京都大学)に行ったりもする。

母と2人穏やかな京都での暮らしを送る中、少しずつ異変が起こり始めるのだ…。


***


ふとしたきっかけで思い起こされる飛龍の過去の記憶と、文中に突如として現れる「――」による語り。

絶対に何かあるという違和感はあるのだが、得てして確証がもてず、ずるずるとトリックの沼にはまってしまった。

たしかに異色作である。
しかし、「深い闇」のベールが徐々にはがれていく緊張感は、いつも以上におもしろいものがあった。

解説の太田忠司氏が言うように「読書とは格闘技」ならば、今回も綾辻行人に大敗してしまった。でも、それが心地よく、いつも求めてしまうのだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年1月20日
読了日 : 2023年6月3日
本棚登録日 : 2023年6月3日

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