まあ、よくもこんなにネタを仕込んだねという感じ。利害やイデオロギーの対立から、そのなかでの保身による行動まで、質の違った事件がやたら並行して起こり、それらが本筋に関係ありそうでなかったり、登場人物が必要以上に思わせぶりに描かれていたり、かと思えば唐突に現れた人物が物語の展開を大きく変えそうになったりするものだから、正直、気持ちが入りにくかった。得意のキネシクスが効果を発揮する見せ場もなく、逆にまどろっこしく感じてしまい、作者らしい緊張感の高いサスペンス色は全く色あせてしまった。ただ、キャサリンの三角関係的恋愛の行く末には興味を惹かれ、恋愛小説としておもしろく読めた。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2011年1月25日
- 読了日 : 2011年1月25日
- 本棚登録日 : 2011年1月25日
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