新装版 隠し剣孤影抄 (文春文庫) (文春文庫 ふ 1-38)

著者 :
  • 文藝春秋 (2004年6月10日発売)
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秘剣を持った故に、人生が変わってしまった、8つの短編集。

きっと、隠し剣(秘剣)には、隠しておく(おかなければならない)訳があるに違いない。①持ってることで相手を疑心暗鬼にさせる。②持ってることを知られずに隙をつく。それは同時に、持つ身にも相応の掟があるのかもしれない。
『隠し剣鬼ノ爪』:秘剣は、まるで必殺仕掛人の技のようでした。きっと、誰にも知られず、後世にも残らず、痕跡も残さない、これがあるべき姿だったのかも。(秘剣の内容も記されていない)でもその”依頼料”が、狭間の妻の命だったのは、ありきたりの展開ですが、なぜか悲しい。こうなることはわかっていたのに。
『宿命剣鬼走り』:「お前さまのことは、もうあきらめました。今度は、子どもをあきらめなければなりませんか」妻の浅尾の言葉は、「男は死を賭さねばならんこともある」の前には無力だった。だから、他の二人も、十太夫自身も。死を賭けて、何を得ようとしたのか。秘剣だけが原因、それとも、権力争い? そんなもののために、八人もの命を…。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年1月26日
読了日 : 2022年1月25日
本棚登録日 : 2022年1月14日

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