隠し剣孤影抄 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2004年6月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784167192389

作品紹介・あらすじ

秘剣、外に語らず―藤沢周平が剣客小説に新境地を開いた名品集“隠し剣"シリーズ。
凶々しいばかりに研ぎ澄まされた剣技を秘める主人公たちは、また人としての弱さもあわせ持つ。
剣鬼と化し破牢した夫のため捨て身の行動に出る人妻、これに翻弄される男を描く「隠し剣鬼ノ爪」。他に「邪剣竜尾返し」「臆病剣松風」「暗殺剣虎ノ眼」「必死剣鳥刺し」「女人剣さざ波」「悲運剣芦刈り」「宿命剣鬼走り」の全8篇を収録。
姉妹篇『隠し剣秋風抄』とあわせて全17篇。全体で「海坂城下異聞」となっている。解説・阿部達二

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

切なさと人間の弱さが交錯する短編集は、剣客たちの秘剣を通じて、それぞれの物語が描かれています。主人公たちは、苦難や悲哀を抱えながらも、最後には一瞬の輝きを放つ秘剣を振るい、その姿に感動を覚える読者も多...

感想・レビュー・書評

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  • ハッピーエンドじゃなくて、切なくて、苦手かなと思いきや、なぜかそんなに凹まない。苦労したり、酷い目にあったり、バカにされたり、なんか可哀想な主人公が、最後に放つ秘剣。まさにここって時に一瞬の輝きが綺麗なんですかね。
    その後もそんなにいいことあるわけじゃないけど、やり切った感があるのか、不思議にポジティブさを感じる。
    短編集になっていて、それぞれ全く違う秘剣を使う剣豪が出てくるのも、単純に楽しめます。
    この本では、「隠し剣鬼の爪」がやっぱり好きですね。悪上役を誰にも気付かれず城の廊下でブスッと。クワァ〜かっこよ!ドラマ?映画?にもなりましたよね。読むたびに、あのシーンが蘇ります。


    そして吉田くんと総統を思い出します。ポジティブです。

  • 一話、一話でも十分な重さがあるけど、次から次へと読み進めたくなる。

    合間にほかの作品を挟んでみたけど、藤沢周平さんの話が合ってるな、と実感。
    どれを読んでも面白い。

    死闘が欠かせないから面白いだけでは片付けられないけど、ページをめくる手は止まらない。
    暗殺剣虎之眼の匂わせる終わり方など好き。

  • 8篇の短編集。どの篇にもそれぞれ隠し剣を持っている登場人物が出てきます。
    バサバサと悪者を倒すようなアクション性があるものではなく、悲哀の中で焦燥した様子でひっそりと・・・という感じで殺人を遂行する慎ましい描写がとても胸をしめつけられます。
    人間味に溢れていて、全ての篇に奥深さがあり、1篇1篇が大作といっても過言ではないかと思います。

  • 短編集ですが、それぞれの隠し剣の話が
    読んでいてぐいぐいと引き寄せられます。
    武士として生きること、また武士の妻と
    して生きることの大変さをまざまざと
    感じさせてもらいました。映画で見た
    隠し剣鬼の爪や必死剣鳥刺しを小説で
    読むとまた違った印象を持つことが
    出来ました。

  • 武士として生きるのも,なかなか大変ですね。

  • 秘伝の剣技にまつわる短編集。決して剣技の技巧に走らず、登場人物の感情を丹念に描いたところが傑作の理由だろう。
    ハズレのないどれも至極の作品ばかり。

  • かっこいいお侍さんがたくさん出てきます

  • 隠し剣鬼の爪が目当てで読んだ。
    映画も良かったが原作も良い。
    話の構造はワンパターンなんだけど、各話の背景や事情がそれぞれ違うため退屈しない。それに勤め人なら理解できる状況ばかりである。
    勤め人で上司の指示は断れないのに剣豪であり、刺客として一流という点が面白く、憂さ晴らしにもなる。

  •  秘剣の数々。何れも、ほんのりと謎を残して終わる。武家の如何ともし難い武家の意地、家族への情愛、男女間の情念が絶妙に絡む。

  • 必殺技を軸にして武士の生き様、それを取り巻く人たちの悲喜を描く短編集。

    海坂藩のお家騒動を通した連作短編集と勝手に期待していたのだが、背景にそれらしき陰謀は匂わせるものの、焦点はあくまでも必殺技を持った武士たちであり、人生である。

    決してヒーローとしては描かない。
    秘技を持ってしまった者の境遇を「武士」の生き方を通して冷静に描写する。
    武士の誇りをかけて立ち会う者もいれば、臆病ながらも地道に奉公する者もいる。
    そして、男たちの生き方に大きく人生を左右される女性たち。
    不条理そのものの世界の中で、それでも人は人を思いやって生きていく。

    どんなに強くなっても、人生は辛いことの方が多い。
    でも、助け合って生きて行く。

    しんみりと、教えてくれる。

  • 人の関係を感じる短編集。女人剣さざなみが好きかも

  • 安定の面白さ。映画『隠し剣 鬼ノ爪』で永瀬正敏演じる宗蔵が対狭間戦のため剣の師匠から教わった、敵に一瞬背を向ける技は本作の中の邪険竜尾返しなのがわかる。

  • 映画化作品が二篇、やはり必死剣鳥刺しが良い。他にも映像化してもらいたいのは、宿命剣鬼走り。女人剣さざ波は花のあとを思い起こさせる。続編も必読。

  • audible で視聴
    隠し剣鬼の爪
     マンガを読んでいるかのよう
     悪ぃ上司登場
     女性は魅力的なのだが、思いっきり男の理想を詰め込んでるような気もする
     鬼の爪…そーゆーことかぁと納得

  • 秘剣を持った故に、人生が変わってしまった、8つの短編集。

    きっと、隠し剣(秘剣)には、隠しておく(おかなければならない)訳があるに違いない。①持ってることで相手を疑心暗鬼にさせる。②持ってることを知られずに隙をつく。それは同時に、持つ身にも相応の掟があるのかもしれない。
    『隠し剣鬼ノ爪』:秘剣は、まるで必殺仕掛人の技のようでした。きっと、誰にも知られず、後世にも残らず、痕跡も残さない、これがあるべき姿だったのかも。(秘剣の内容も記されていない)でもその”依頼料”が、狭間の妻の命だったのは、ありきたりの展開ですが、なぜか悲しい。こうなることはわかっていたのに。
    『宿命剣鬼走り』:「お前さまのことは、もうあきらめました。今度は、子どもをあきらめなければなりませんか」妻の浅尾の言葉は、「男は死を賭さねばならんこともある」の前には無力だった。だから、他の二人も、十太夫自身も。死を賭けて、何を得ようとしたのか。秘剣だけが原因、それとも、権力争い? そんなもののために、八人もの命を…。

  •  藤沢周平さんの「隠し剣秋風抄」に続き「隠し剣孤影抄」を読みました。№2を先に、№1が後ですが、後先は問題なかったです。邪剣、臆病剣、暗殺剣、必死剣、隠し剣、女人剣、悲運剣、宿命剣の8話。全部読み応え十分でした。特に、「邪剣竜尾返し」「臆病剣松風」「隠し剣鬼の爪」「女人剣さざ波」の4話が秀逸。「女人剣さざ波」は感動を覚えました。最後の「宿命剣鬼走り」は重厚かつ哀し過ぎる物語でした。

  • 素晴らしいの一語也 
     

  • 鬼滅の刃 無限列車編を観て、急に必死剣鳥刺しが読みたくなり、本棚をひっくり返した。
    この話もそうなんだっけど、藤沢周平の小説には、命懸けて自分の役割を全うしようとする大人が沢山登場する。

  • 軽め?の小説
    かかった時間 さあ?3時間以内?

    かなり前に読んだものの再読。剣にまつわるさまざまな物語。全編を流れる武士?剣士?の価値観がカッコいい。こういうの好きだろ日本人!みたいな。

    上品で質の良い、娯楽としての大衆小説。
    うーん、そう考えると最近の中山七里はいかがなものか(飛び火の批判笑)。

    最近読書をさぼっていたのでちゃんと本を読もう。

  • 短編8編 まず題名に惹かれる。 それぞれが避けがたい運命の重さを背負っている。 剣を交えなくてはならなくなる武士の生き方に、現代にも通じる哀しみがある。 「女人剣さざ波」がいい。 

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著者プロフィール

1927-1997。山形県生まれ。山形師範学校卒業後、教員となる。結核を発病、闘病生活の後、業界紙記者を経て、71年『溟い海』で「オール讀物新人賞」を受賞し、73年『暗殺の年輪』で「直木賞」を受賞する。時代小説作家として幅広く活躍し、今なお多くの読者を集める。主な著書に、『用心棒日月抄』シリーズ、『密謀』『白き瓶』『市塵』等がある。

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