復讐の誓い (クロニクル千古の闇 5)

  • 評論社 (2009年4月1日発売)
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冒頭、ベイルが殺されてしまう。責任を感じたトラクは、いきなり「復讐」の鬼に変貌。<魂食らい>魔導師シアジ(ファイアオパールを盗み出す)を追って深い森に向かう。
いつも一人で責任を背負ってしまうトラクが、かわいい。

深い森では、種族間で争いが起こっている。6000年前から、人間は”復讐”のために心を失っていたのか、戦いを避けるにはアカシカ族のように逃げ回るしかないのか、いずれも極端?、わかりやすい。だから、騙されやすいし、解決も早いのかもしれない。

今回は、禁断の”樹木”への生霊わたり。生き物は単体生物へ乗り移っていったが、木ではそうはいかない。1本の木ではなく、森と調和していく、同化していくイメージでしょうか。スケールが大きすぎて…。

シアジとの決戦は、あっけなく、山火事が燃え移って焼け死ぬ。最強と煽った割には拍子抜けかな。しかも、オパールは、イオストラに奪われるし。また<生霊わたり>のシーンでも目立った活躍がなかったから、これも次回(最終回)への伏線かもしれない。

「確かなことなど、どこにもないのだよ。お前に勇気があるなら、遅かれ早かれその事実に直面するだろう」フィン=ケディンは語る。そう、勇気をもって信じて進む。それが、ファンタジーの真骨頂。

ウルフが<黒毛>の嫁と仔オオカミの親になった姿は微笑ましい。トラクの将来像を暗示しているの? でも、オオカミと人間(尻尾なし)の違いを知ってしまったウルフは少し哀しい、けど。 

さて、残るはワシミミズク族の魔導師。決戦の最終話。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年4月9日
読了日 : 2022年4月4日
本棚登録日 : 2022年3月13日

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