長崎原爆の被害者永井医師の記録。
原爆が落ちた直後からの被害状況が克明に記録されている。
特に、爆風、ガンマ光線の被害、それによる症状など時間経過やキョリなどを織り交ぜてしっかり記録されていて驚く。
医師同士で原爆について語られている場面を読むと、原爆の存在はある程度知られていたと思われる。
そういう人たちがいたという事実を知ると開戦したことがとてもむなしく思われる。
また作者がキリスト教徒のため、原爆投下は神の摂理であるという表現がある。この言葉にも驚かされた。
神は乗り越えられない試練は与えないとされているが、あまりにもむごい試練だと思う。乗り越えるということは、これを伝えていくということになるのだろうか…とにかく、一度は読まなければいけない作品。
永井 隆
医学者。明治41年(1908)2月3日~昭和26年(1951)5月1日。島根県松江市生まれ。幼年時代を父が医院を開業していた島根県飯石郡飯石村でおくる。松江中学校、松江高等学校卒業後、長崎医科大学(長崎大学医学部の前身)入学。昭和7年(1932)同大学卒業。助手。8年見習医官、満州事変に従軍。昭和9年長崎医科大学物理的療法科副手。同年6月受洗、霊名パウロ。結婚。12年陸軍軍医中尉、同年8月~15年2月日中戦争に動員される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2011年9月15日
- 読了日 : 2011年9月15日
- 本棚登録日 : 2011年9月15日
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