卍(まんじ) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1951年12月12日発売)
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本棚登録 : 3372
感想 : 301
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これから語られる二組の男女の複雑な愛憎劇の当事者の女性が、大阪弁で告白する形式で書かれています。一人の語りだけで、これだけの物語を読ませ、引き込むという流れが高度だなぁと。
園子(語部)は絵画教室で知り合った美貌の光子の小悪魔的な振舞いに夢中になっていく。そこに光子の元婚約者のイケメン男性が入り込む。彼は三人の関係を均衡を持たせようとする。そして、弁護士である園子の良人までも巻き込んでいく。夫は、理性的な人間だったが、光子の奔放な妖艶さに妻と共に支配され始める。光子が思いのまま振る舞い策略していく様子は、恋愛サイコかな。真面目な夫が、どこか真面目な感じに狂っていく様子が救えない。最後は、なかなか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新潮文庫
感想投稿日 : 2023年4月7日
読了日 : 2023年4月7日
本棚登録日 : 2023年4月7日

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コメント 3件

土瓶さんのコメント
2023/04/07

一度くらいほ読んでみようと思いつつ、なかなか手が出せずにいる谷崎潤一郎さん。

おびのりさんのコメント
2023/04/07

もうね、古いのは確かなのですが、上手いんだよね。私は、「春琴抄」(百恵ちゃんね!)の偏愛と、「痴人の愛」の狂愛な感じが好き。
そして、実は、谷崎さんの源氏物語は、苦手。

土瓶さんのコメント
2023/04/07

うん。読んでもいないのにドラマや映画などで観たおぼえがあるから、余計に手が出にくい><

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